和尚さまが慄いた父の法要

半月ぶりのブログ。

日本列島を台風が通過中。

数年前の凄かった台風を思い出して少し怖いこの数日、亡き父の一周忌法要を実家で行った。

 

弟2人の内、ひとりがコロナで自宅療養中なので、母と弟と私の三人だけの、静かな法要が始まった。

いつものように読経が終わり、和尚様がお話を始められた。

こちらの和尚様は、いつも色々なお話をして下さる。

いつぞやは、さだまさしさんの唄『いのちの理由』のお話をして下さった。

私が生まれてきた訳は…と、素敵なお話を聞かせて頂いた。

 

今日はどんなお話が…と、聞き始めた時、突然お経が流れ始めた。

え!?

え!?

え!?

え!?

和尚様を含めた4人が、何?何!?とキョロキョロし、顔を見合わせた。

 

と突然、ハッとした顔された和尚様が腰を上げ、離れた場所に置いてあった和尚様のカバンの中からご自分の携帯電話を出し、流れていたお経を止められた。

 

な~んだ、和尚様の携帯かぁ…(´-ω-`)

「タイマーか何かが鳴ったんですか?」

と私たちが笑顔で伺うも、

「すみません、すみません…。」

と言いながら、しきりに首を傾げる和尚様。

 

和尚様曰く、

「タイマーもかけてなければ、音もバイブレーションも振動しない『サイレントマナーモード』にしているし、今もそうなっているのです。

当然ですが、お勤めの最中に鳴ってはいけないので。

離れた場所のカバンの中に入れている携帯が、何かに当たったとかも考えられないし…。

こんなことは長年お勤めさせて頂いていますが、初めてです。」

と、慄いておられる。

その上

「お経そのものは携帯の音楽アプリの中に入れてはいますが、他にも色々な音楽を入れている中でお経が流れるとは…。」

と…絶句。

 

私たちは和尚様を気遣い、

「きっと父がいたずらしたんですよ~(笑)」

と笑ってやり過ごそうとしたのだが、余程驚かれたのか、最後まで

「今日の出来事は、私は一生忘れません。」

と仰りながら帰って行かれた。

 

スマホから勝手に音楽が鳴る誤作動も稀にあるらしいので、おそらくそうだとは思うけれど、私には父がいたずらをして、いつもの笑顔で

(うひょひょひょひょ♪)

とリビングの隅で笑っているように思えた出来事だった。

 

 

 

 

 

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