お姉さん

毎週火曜日に訪問する利用者様のお宅で、いつものお風呂掃除をしていた。

 

お父様とお母様、そして息子様の3人暮らし。

息子様はとても優しげな方で、ヘルパーが入る必要も無いのでは?と思われるほど、いつもとても綺麗にお掃除されている。

 

(我が家の息子達も、少しは見習ってほしいものだ)

 

我が家のお風呂の方が、余程汚れている。

 

お風呂の洗剤が無くなってしまい、ストックを探しあぐねていたら、タイミングよく息子様が一時帰宅されたので、息子様に洗剤のストックはあるかと尋ねた。

 

「あ、ありますよ!お姉さんの後ろの扉」

 

お…お姉さん!?

 

お姉さんなんて、まぁ…(照)

最後にお姉さんと呼ばれたのは一体いつだっただろう。

全く以て記憶が無い。

 

「ありがとうございます!」

 

と返事をし、何食わぬ顔でお風呂掃除を再開しながら、心の中ではいろんな思いが怒涛のように駆け巡る。

 

お姉さんに見えている筈が無いのに、うまいこと言うなぁ。

そんな風に呼ばれたら、誰でも悪い気はしないもんね。

でも、マスクで顔半分隠れてるから、あながち嘘でも無かったりして!?

おととい髪も染めたばかりだし?

 

いやいや、まさか(笑)

 

マスクってそういう意味では有難い小道具やね。

この年になると一番気になるほうれい線やマリオネットラインをすっぽり隠してくれるんやから。

いやぁ、こうなってくると息子さんの前では、コロナが収束してもマスク外せなくなるやん。

マスク外した顔を見て、えっ!?って思われるやん、、、

 

って、そんな訳ないか(笑)

その日の掃除が、いつもよりほんの少し念入りになった。

 

 

サービスの合間に、スーパーのイートインでたこ焼き食べたよ。

 

 

 

 

 

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